宅配便ドライバーの裏側

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バイトの配達員同士にとって良い配達員とされるのが、
単純に配達件数を多くこなす人間を凄いとみなしがちである。

でも、配達件数は多くこなすけど、法定速度を全然守ってなかったり、
配達毎にリスクを犯して車の施錠をしていなかったり、
バイトの始業時間よりかなり前から出勤してきて準備をしたり、
休憩をまるでとってなかったり、
雑な接客をしてたり、
という具合かもしれない。


視点としては数を多くこなすというのは配達員側の視点に過ぎずない。


多くこなそうとするとそれだけ急ぐから事故や誤配のリスクは高くなる。


AさんとBさんを比べてみよう


Aさんは一日100個配達をする
だけど、年に何度か誤配する
事故も数回起こしている
接客クレームが何度かきている
A地区しか配達しない
早番遅番で早番しかでない
休み希望を毎回出して、自分の希望が通らないと怒るので休みも出勤も自分の希望通りになっている
A地区は一軒家の多い旧番地の地域で配達数は多いが体力的には楽でエレベーターのない階段で登る集合住宅はほとんどない
Aさんは車を自分専用にしていて自分の私物を常に車に入れて他の人に触らせない
休みの日に自分専用車を自分の子飼いの同地区の後輩にだけ使わせて休みの日にガソリンを入れるように指示している
Aさんは100個配達するために1時間半前から出勤している


Bさんは一日70個配達する
誤配事故は今まで起こしていない
クレームなどは今まできたことがない
B、C、D地区の3地区を配達する
早番遅番両方に出勤する
遅番の次の日に早番になっても文句をいわない
B地区は50棟以上のエレベーターがない5階建ての団地があり30キロの荷物を5階まで運ばなくてはならない
C地区は道の狭い旧番地である
D地区はオートロックのマンションが密集しているマンション郡である
BさんはAさんより3年以上前から働いているが空いている車を使用する
Bさんは大体いつも30分くらい前から出勤している



AさんとBさんどっちが良い配達員だろうか?
私は数地区を担当している。日によって配達する地域が違う。

最初の1地区しかやっていなかったころは、
エレベーターのない団地が密集している地区だけを配達していた。


当然、エレベーターのない団地なので最大で5階まで荷物をかついであがらなければならない。

30キロくらいまでは重い荷物があるので、それをかつぐわけだ。



仮に一日に荷物を70個配達したとしよう。

そのうち団地が30個で
平均階数が3階として90階分登らなくてはいけなくなる。


週5日出勤していて1週間で450階
1ヶ月で1800階くらい登らないといけない。


基本的にこういう地区は20~30代の人間がメインでやっている。


でも、一軒家の多い地区のほうが数が多かったりして、
年配のおじさんが自分の地区は数が多くて大変だと毎日のように文句を言って、
得意げな顔で近寄ってきて、「うちのやってみるか?」と言ってくる。

どういうことかというと、自分の地区は数が多くて大変でおまえなんかができるわけ
ないから、俺がやってやってるんだよ!おれって凄いだろう?
お前ら楽していいよな?という構図をつくりたいわけである。

おじさんとしては「いやぁー数が多くて僕には無理っすよ」と言って欲しいわけである。

それでおっさんたちのくだらない自尊心と利権を守りたいわけだ。


結局、私はそういうくだらない茶番が大嫌いなので、てきとうにあしらうので
そういうのがどうも気に入らないらしく、「おまえはコミュニケーションをみんなととらない」と面と向かって言われたことがある。



”私はバイトしに来てるだけでおっさんたちの自慢話を聴きにきてるわけでも、おっさんたちの利権を守るための道具になるつもりもない”と
心の中で叫んで、淡々と黙々と作業をこなしているのである。


昔、暇だった日に隣接する他の地区の配達員に
「手伝いましょうか?」と言った。

すると同地区を配達している50代の先輩に
「他のところを手伝うとかいうなんて10年はえーんだよ。
わきまえろ!」と怒鳴られた。


それから何年かして、同じように暇だったので、
同じように手伝ってあげようと思って
隣接する他の地区の荷物で近いところはないか物色していたら、
同時期に入ったひとまわりくらい年上の他地区の配達員のおじさんがやってきて、
「何、他の人んとこあさってんだよ」と怒鳴られた。



結局、思うんだけど、すごく縄張り意識の強い人が多い。

あと、自分だけじゃなく自分に近い人が他の地区をやったりすると
自分も同じように暇なときに手伝わないとバツが悪くなるから、
それを阻止しようとしたのもあるだろうし、
自分がたまに暇なときに手伝ってあげることで、
自分=偉いの構図をせっかく作り上げてるのに他の人間がやることで、
その構図が特に大したことではないということになってしまうのを阻止したんだと思う。



子供の頃、大人というのはもっと大人だと思ってたんだけど、
変な知恵みたいなのをつけて、自分を大きく見せるために
くだらない小細工をするどうしようもない人間がいかに多いかを日々、感じている。


配達員の履いている靴をみるとどの程度の仕事かがわかる。


というのは普通のビジネス用の革靴なんかを履いている人は戸建ての一軒家が多い楽な地域をやっていることが多い。

そんな靴を履いて5階建てのエレベーターのない団地を何十個も配達できるわけがない。


コンバースのキャンパスなんか履いてる奴なんかみても、ああ、楽な地域を配達してるんだなといつも思う。


じゃあ、お前はどんな靴を履いているのか?
どんな地域を配達しているのか?



私はマラソンなんかの練習用の長い距離を走れるクッション性の高い1万円前後するランニングシューズを履いている。


配達している地域は五階建てのエレベーターがない団地がいくつもある地域だったり。
戸建てのほとんどないマンション郡(エレベーターがあるから楽ではあるが車を建物に着岸できないので、
車からマンションまで走る行為を何度も繰り返す)をメインにやっている。



同じような賃金を貰って楽な地域としんどい地域があるのは不公平である。



職場では40代以上の配達員も多い。

私が入って以来、年配の人たちの何人かはずーっと文句ばっかり言いながら仕事をしている。


「自分ばっかりC地区で数が多いから大変だ」

「A地区は範囲が広くて自分は大変だ」

「重い荷物があって大変だ」

「荷物がでかくて車に入れられない」

「午前指定が多すぎてまわりきれない」

「20から21時が多すぎてまわりきれない」
などなど


とにかく不平不満を毎日あきずに言い続けて文句ばっかり言っている。